湯治客(?)で賑わう小さな集落の小さな醸造所==ドイツビール紀行2010(その34)==
散歩道、自転車道、畦道。
そういった小路があちこちに張り巡らされているのが、ドイツの田舎の魅力です。
しかし、そんな道がどんな所にもあるわけではありません。
NedensdorfからWiesenまでの道は、普通の車道があるのみ。
自転車や歩行者のスペースが確保されている訳ではありませんが、それでも快適に自転車で走ったり、歩いたりすることができます。
かなりのスピードで走る車のほとんどが、自転車乗りや歩行者を見つけると、かなり減速します。そして、充分なスペースを空けて通過して行ってくれます。
おそらく、彼等も休日はこういった道で散歩をしているのでしょうね。だからその危険さが分かるのでしょう。
さて、そんな道を10数分、途中で坂を登りながらやって来たWiesenは、先程の集落以上に小さな集落で、その人口は約300人。
それにも係わらず、2軒の醸造所があります。
温泉地Bad Staffelsteinに近いこともあり、何軒かの小さな宿屋がありますが、この2軒も宿泊設備がある「Brauerei Gasthof」です。
まず訪れたのは、Brauerei Thomann。
1870年創業の小さな醸造所です。
年間400hlほどしか醸造しておらず、かつ瓶売りもせずに自店販売のみという「究極の地ビール」です。
小さな醸造所だけあってビールは「Lager」と「Weissビア」のみ。
Lagerというのは、ビールのカテゴリーの総称になりますが、この名前を付けている醸造所はかなり多いです。
店によってそれがヘレスであったり、デュンケルであったり、それは様々。
この店ではデュンケルが出てきました。
この辺に関しては、メインサイトのビール文化研究所を参照ください。
田舎の醸造所というのは、客のほとんどが地元のオジサン達です。
しかし、この店はうまい具合に年齢層が散らばっています。
隣に座っていたのは、この集落に住む母子。買い物帰りのお茶を楽しんでいる模様。おそらくStaffelsteinの街中で買い物を済ませ、これから家へ帰る途中に、フラリと寄ったのでしょう。
この集落には、Bad Staffelsteinで療養するために滞在する人も多いようです。
要するに、湯治ですね。
集落内ある宿に滞在し、カフェかわりにこの店を利用しているのでしょう。もちろん、ビールも飲むでしょう。
Brauerei Gasthof Thomann
Altmain str 5
96231 Wiesen
TEL: 09573 5296
水〜金 16〜23時
土日月 11〜23
火曜定休
http://www.gasthaus-thomann.de/
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