IrseeのKlosterbraeu(修道院醸造所)==ドイツビール紀行2008夏編(その21)==
醸造所レストランの店内は、特に宗教色が強い訳ではなく、一般的なレストランなどと変わりませんが、やはり建物その物が古いです。
レンガの壁や、弧を描く柱など、中世からの建物に補修を重ねて使用しているからでしょう。
店内の構成は三つ。屋内と中庭、そしてガーデンです。
ガーデンはまだ準備が整っていないらしく、椅子が並んでいませんでした。店内よりも中庭の方が賑やかだったので、そちらに席を取ります。
中庭と言っても簡易的な屋根が付いており、中央には薪ストーブが備え付けられています。さすがにこの季節(8月)にそれに火が灯ることはないでしょうけど、冬は暖かな席を提供してくれることでしょう。
バイエルンらしく、立派な腕をした中年女性が注文を取りにやってきました。
ミュンヘンの某HBもそうですが、初めてドイツのビアホールに足を運んだ人は、その隆々とした腕を持つオバ様達にビックリすることでしょう。
さて、ビールを注文します。
ビアリストを眺めると・・・・
Kloster Urtrunk (0.4l 2.9euro,0.5l 3.2euro)
Kloster Ur-Dunkel (0.4l 2.9euro,0.5l 3.2euro)
Kloster Urweisse (0.5l 3.1euro)
Kloster Starkbier (0.4l 3.2euro,0.5l 3.5euro)
と記されています。
ここで並んでいるのは「Ur」という言葉。
これは「昔からの」という意味を持っている接頭語(?)であり、ここでは「中世の昔から変わらないビール」であることを記しています。
一般的に、その醸造所のフラッグシップ的なビールが一番上に書かれていますが、ここのそれはUrtrunk。「昔から飲まれているビール」という意味です。
Urtrunk。
実際にこれだけ明るい色のビールが中世から飲まれていたかどうかは定かではありませんが、完全にろ過されていないと言う事、そして「Urwuerzig(昔ながらのスパイス)」で醸造されているというと、ホップ意外の薬草などが入っているようです。
いわゆるノンフィルターのヘレスですが、麦芽の甘みを楽しみながら、ゆっくりと楽しめます。
Urdunkel。
こっちの方が昔っぽいのですが、2番手に載っています。
発芽麦芽を乾燥する過程でどうしてもカラメル色になってしまった時代のビール。
麦芽の甘みと一緒に、その香ばしさが楽しめるビールであり、今でもバイエルン周辺の醸造所のスタンダード系と言えるでしょう。
Urweiss。
0.5Lしか価格設定がされていない、というのがミソです。
この場合は、「Von Fass」(樽から)ではなく「瓶売り」という意味です。
樽から出される場合は、0.2Lだろうが、0.4Lだろうが量は自由なのですが、瓶の場合はもちろん一本飲み切り売りが基本となります。
Starkbier。
陶器ジョッキに入ってきました。
「stark(シュタルク)」とは「強い」という意味。
その名の通り、アルコール度数も高く、かなりドッシリとしたビールです。
陶器でサーブされる理由は、差別化でしょう。
他よりも少し単価の高いビールのプライドといったところでしょうか。
次回へ続く>>
| 固定リンク
「013 ドイツビール紀行2008夏」カテゴリの記事
- Hanau・・・メルヘン街道の小さな町からフランクフルトへ==ドイツビール紀行2008夏(その36最終回)==(2010.05.23)
- 通りすがりの老舗醸造所==ドイツビール紀行2008夏(その35)==(2010.05.10)
- 超長期休暇??==ドイツビール紀行2008夏(その34)==(2010.05.08)
- Drei Kronenでランチタイム==ドイツビール紀行2008夏編(その33)==(2010.05.08)
- 朝、モーニングビールでスタート!==ドイツビール紀行2008夏編(その32)==(2010.05.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント