田舎町でビールを飲みながら、環境問題を考える=Brauerei Hummel@Merkendorf
僕がフランケン地方を巡る大きな理由のひとつが、このエリアには「小さな家族経営の醸造所」が多くあることだと、あちこちで書いてきました。
小さな醸造所で造られるビールは、そもそもの生産量が少ないためその周辺エリアで消費されていることが多く、10km程離れた街の人にも存在が知られていない場合もあります。
今回ご紹介する集落Merkendorfは、幹線沿いにあるMemmelsdorfという集落から少し外れた所にある小さな集落です。
航空写真を見て頂くと解りますが、かなり小さい集落で、端から端までを歩いても数百mしかありません。人口は約800人なんですが、なぜか醸造所は2軒あります。
交通機関も無いような集落なので、行く方は皆無かと思いますが、一応地図を貼っておきます。(笑)
Brauerei Huemmelは、そんな小さな集落にある家族経営の小さな醸造所です。
この雰囲気が気に入り、ここ5年で4回訪れています。
平日でも、集落の住民達が三々五々に集まり、ビールを飲みながら談笑しており、ほぼ満席状態です。また、暖かい季節になると中庭はビアガーデンと化し、やはり集落の人々が家で食事をする前に、または済ませてから集まってきてはビールを楽しんでいます。
僕の友人で、いつもフランケンに行くとお世話になっているルディは、ここから数キロ離れた集落に住んでいるのですが、週に1度はこの店にやって来ます。それはビールを買うためです。
彼の自宅の地下にはこの店のビールが何種類かケースで買い置きしてあります。
20本入りのビールケースが空になると、それをクルマに載せ、醸造所に行って同じ20本入りのビールを買ってきます。
毎度空瓶、空ケースと交換なので、デポジット(瓶などの保証金)は常に「キープされた状態」になっています。
このエリアの名産品とも言える「ラオホビア」を始め、ヘレス、デュンケル、5月には定番のシーズンビール「マイ・ボック」と様々なビールを楽しめるのはもちろん、やはり小さな集落に活きるビール文化を垣間見れるのが一番の喜びでした。
僕がブラウマイスター氏とイロイロと話をしていると、ツナギを着た大柄なオジサンがやって来ました。
一言二言言葉を交わし、再び外へ。
「ちょうど良い所に居たな、プレジデント」
ブラウマイスター氏は僕にそう言うと、外へ出るように言いました。
オジサンはトラックを醸造所の建物から飛び出したパイプの下に荷台が来るように横付けし、何やら大声で合図をしました。
すると、そのパイプからはドドドドっとグチャグチャの物体が流れ出てきました。
麦芽の滓です。
オジサンはこれを肥料として畑に撒くか、家畜の餌とするのでしょう。
地域の中心として醸造所やパブが存在していた事は知っていましたが、作物や廃棄物の循環にも組み込まれていたのですね。
瓶のリサイクルだけでなく、何かの参考になれば幸いです。
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