« 小さな村でしか飲めないビール=Brauerei Mainlust@Bambergバンベルク近郊のViereth | トップページ | シンプルさが魅力=ドイツのソーセージの話= »

2007年6月25日 (月)

田舎町でビールを飲みながら、環境問題を考える=Brauerei Hummel@Merkendorf

Hummel_deck

僕がフランケン地方を巡る大きな理由のひとつが、このエリアには「小さな家族経営の醸造所」が多くあることだと、あちこちで書いてきました。
小さな醸造所で造られるビールは、そもそもの生産量が少ないためその周辺エリアで消費されていることが多く、10km程離れた街の人にも存在が知られていない場合もあります。

Merkendfmap03 今回ご紹介する集落Merkendorfは、幹線沿いにあるMemmelsdorfという集落から少し外れた所にある小さな集落です。

航空写真を見て頂くと解りますが、かなり小さい集落で、端から端までを歩いても数百mしかありません。人口は約800人なんですが、なぜか醸造所は2軒あります。

Merkendfmap01_1

Merkendfmap02_1

交通機関も無いような集落なので、行く方は皆無かと思いますが、一応地図を貼っておきます。(笑)

Merkendf_hummel_1

Brauerei Huemmelは、そんな小さな集落にある家族経営の小さな醸造所です。
この雰囲気が気に入り、ここ5年で4回訪れています。

Hummel_gaeste

平日でも、集落の住民達が三々五々に集まり、ビールを飲みながら談笑しており、ほぼ満席状態です。また、暖かい季節になると中庭はビアガーデンと化し、やはり集落の人々が家で食事をする前に、または済ませてから集まってきてはビールを楽しんでいます。

Hummel_keller002_1

Hummel_keller001_1

僕の友人で、いつもフランケンに行くとお世話になっているルディは、ここから数キロ離れた集落に住んでいるのですが、週に1度はこの店にやって来ます。それはビールを買うためです。
彼の自宅の地下にはこの店のビールが何種類かケースで買い置きしてあります。
20本入りのビールケースが空になると、それをクルマに載せ、醸造所に行って同じ20本入りのビールを買ってきます。
毎度空瓶、空ケースと交換なので、デポジット(瓶などの保証金)は常に「キープされた状態」になっています。

Hummel_keller004_1

このエリアの名産品とも言える「ラオホビア」を始め、ヘレス、デュンケル、5月には定番のシーズンビール「マイ・ボック」と様々なビールを楽しめるのはもちろん、やはり小さな集落に活きるビール文化を垣間見れるのが一番の喜びでした。

Hummel_malt

僕がブラウマイスター氏とイロイロと話をしていると、ツナギを着た大柄なオジサンがやって来ました。
一言二言言葉を交わし、再び外へ。
「ちょうど良い所に居たな、プレジデント」
ブラウマイスター氏は僕にそう言うと、外へ出るように言いました。

オジサンはトラックを醸造所の建物から飛び出したパイプの下に荷台が来るように横付けし、何やら大声で合図をしました。
すると、そのパイプからはドドドドっとグチャグチャの物体が流れ出てきました。

麦芽の滓です。

オジサンはこれを肥料として畑に撒くか、家畜の餌とするのでしょう。
地域の中心として醸造所やパブが存在していた事は知っていましたが、作物や廃棄物の循環にも組み込まれていたのですね。

瓶のリサイクルだけでなく、何かの参考になれば幸いです。

*****************
人気blogランキングへ
ランキングアップに向け、一日一度のクリックをお願いします。
m(_ _)m

|

« 小さな村でしか飲めないビール=Brauerei Mainlust@Bambergバンベルク近郊のViereth | トップページ | シンプルさが魅力=ドイツのソーセージの話= »

114 ドイツ南部」カテゴリの記事

312 フランケン地方」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 田舎町でビールを飲みながら、環境問題を考える=Brauerei Hummel@Merkendorf:

« 小さな村でしか飲めないビール=Brauerei Mainlust@Bambergバンベルク近郊のViereth | トップページ | シンプルさが魅力=ドイツのソーセージの話= »