ビアガーデン、隣は何をする人ぞ
「ははは、Zwetschgenbammesか。よく知っているね。ここのは最高だよ!」
隣に座っていた中年夫婦と老人一人の3人組の中年主人が声を掛けてきた。
近くに住むという3人組(おそらく老人はこの男性の父親だろう)は、それぞれジョッキを持ちながらビールを愉しんでいた。何も特別な事はしていない、ただ時間が空いた、ビールが飲みたくなった、よってここへ飲みに来た、それだけである。ビアガーデンに来るのに理由なんていらない。ステキな家族だ。
「そんな所にひとりで座っていないで、こちらへおいでよ」
と彼等は自分達のテーブルで空いている席を指さした。
彼等は気分によりここと先ほど僕が訪れたGiess Kellerを使い分けているそうだ。
「Giess Kellerにも行くと良いよ」
「実はさっき行ったばかりなんです」
「おぉ、それは凄い。自転車のようだが、バンベルクに滞在しているのかい?」
「いや、Memmelsdorfの・・・」
「あぁ、Drei Kronenか。あそこのビールも素晴らしいね」
「ご存じでしたか」
「もちろん」
そんな会話をしているうちに僕の小さなグラスが空いた。
「一杯おごらせてくれ」
オジサンは僕にそう告げてカウンターへ向かった。ちょっと容量オーバーの気がするが、遠慮無く戴くことにする。
この醸造所の名前はBrauerei Krug。
実は、Krugとは陶器のジョッキの事をさす。
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