ドイツビール紀行2006〜小さな集落Merkendorf〜
夕方からは、友人ルディの家族と近所の集落にあるビアガーデンに行く約束なので、バンベルクを早々に離れる。
バンベルクを見下ろす「Spezial Keller」に吸い込まれていく人の流れとは反対方向に自転車で駆け下りた。
石畳のデコボコが直接ハンドルから体に伝わって来る。
行き先はルディお気に入りの醸造所のひとつであるBrauerei Hummelで、Memmelsdorfから2キロほど離れた場所にある2軒の醸造所の内の1軒だ。(参照1、参照2)
ここは何度も行ったことがある醸造所だが、この暖かい時期に来たのは初めてだった。いつもは何となくどんよりとした雲の下、寂れた集落にある小さなブラウエライ・ガストホフと言った感じだったが、今回は違う。夕方のひとときをビアガーデンで過ごす集落の人々の、嬉々とした笑顔が満員御礼状態だ。
「やぁ、久しぶり。また来てくれたのか!」
次期オーナーのブラウマイスターが僕等の居るテーブルに気が付き、声を掛けてきた。彼とルディの付き合いもかなり長い。
一緒のテーブルに座るルディの家族とも面識があるので、一人一人と言葉を交わしていく。
ビールはヘレス、デュンケル、ラオホといった定番の他、シーズンビールである「ボック」。どうしようかと迷ったが、まずは定番のひとつであるラオホを飲み、次にボックを飲むことにした。
運ばれてきたビールを飲みながら食事のメニューを見る。せっかくだからやはりこの地方の物が食べたい。
「やはりXXが良いだろう」(名前を書き留めたメモはどこかにあるハズ)
それを悟ったルディが、メニューを指さしながら僕に言った。
これはフランケン料理のひとつで、燻製した牛肉のステーキの様な物だ。これにとろみのあるブラウンソースを掛けて食べる。その傍らにはクヌーデルンが置かれているが、この地方のそれはパン屑も一緒に練られており、「Knöß」と呼ばれている。
バンベルク市内と違い観光客というものが居ないため、もちろんそんな解説は一切無いのが逆に嬉しい。
何年か前に来た時も、これを食べた。
「ひと切れか?ふた切れか?」
あの頃は今よりも若干若かったので、ついついふた切れを注文したが、今はちょっと無理だろう。
その事をルディも覚えていて、
「今日はひと切れでいいのか?」
などと笑っている。
5月(ドイツ語でMai=マイ)らしくマイ・ボックを飲みながらみんなでイロイロな話をしている時に、遠くからドドドドというエンジン音が聞こえてきた。ルディの息子、アンドレアスがアメリカンバイクに乗って到着した。
「彼が接近している事は、どこにいても解るんだよ」
とルディは自分と同じ様にライダーである息子のアンドレアスと仲が良い。まぁあのマフラー音ならば誰でも解るのだが。
アンドレアスが合流して再び乾杯。
そんな時、隣にいたグループの何人かが話しかけてきた。
「あのバイクはかなりカスタムしてあるようだが、いつもどこの店でやっているんだい?」
この集落に住む30代半ばのグループらしいが、そのうちの何人かがやはりライダーと言うことだ。
アンドレアスがあれこれと一通り解説を終え
「彼は日本から来たライダーだ」
と僕の事を紹介した。
「へ〜、そうか君は中国人ではなく日本人か。僕のバイクはホンダだぞ」
とバイク談義が始まった。
彼の声が大きかったせいか、バイク好きの人の輪はさらに拡がり、ビアガーデンにいたバイク好きが集まった。
ビアガーデンとは、ビールを飲む場所ではなく、人の交流の場である。この事は間違いない。
*******************
人気blogランキングへ
↑「ブログランキング」に参加しております。
もしよかったらクリックしてください。m(_ _)m
クリックされるとポイントが加算され、ランキングがアップします。
アップしても何か手に入ることはありませんが・・・・・。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント