読書録:「大衆食堂」(野沢一馬・ちくま文庫)
大衆食堂そのものが少なくなった。
・・・というが僕らの世代にはあまり大衆食堂というものに縁が無い。
大衆食堂の興りを詳しく解説した本がこの「大衆食堂」。
茶屋に始まり、天秤を担いで飯を売った棒手振と備え付けの屋台が食堂の始まりとしている。
江戸には当時から単身赴任者が多く、飯を食べる店の需要があった。
その単身赴任者とは参勤交代でやってきた大名の家来達(身分の低い足軽も多数)。
火事が多い町なので、その復興の都度人が集まった。彼等も飯を食う食う。よって飯屋は増加したというのが興味深い。
一膳めし屋が簡易食堂、配給時代の外食券食堂へ。
上野「聚楽」の前身「須田町食堂」の繁栄、そしてチェーン店の台頭。
旅先で何となく駅前食堂に入る僕にとって非常に面白い本だった。
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